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半導体チップ、LSI(Large-Scale Integration:大規模集積回路)は、コンピュータの性能の根幹を担う部品です。
コンピュータとひとことで言いましたが、パソコンだけではなくスマホやタブレットなどのモバイルデバイスはもちろんのこと、家電や自動車など、あらゆるところにコンピュータが使われています。見えていないだけで。
現在実用化されている半導体チップの製造技術には14nm(用語説明1)プロセスというのが使われているようです。
そんな時代に、IBMが次世代というか次々世代?となりそうな7nmプロセスのチップ製造に成功したそうです。
そんなニュースがこちら(2〜3日前のニュースですが)
ムーアの法則の限界へ…IBMが7nmで世界最強チップの開発に成功
7nmというと、14nmの半分ですから、ザルな考え方で同じ面積に4倍もの回路を集積できるということです。
もしくは、現在と同じ回路を4分の1までサイズダウンできるということでもあります。
通常、量産品のLSIチップは半導体露光装置で製造されます。
「露光」というだけありまして、光を当てて回路パターンを焼き付けます。
露光に使う光の波長が短いほど、細い線を描けます。
難しい話は割愛しますが、従来の技術(可視光:いわゆる「光」として目に見える波長の電磁波)では微細化の限界が騒がれていました。
可視光よりも細い線を引ける次世代の露光装置として、電子線、X線、EUV(極端紫外線)など、いろいろな技術開発がしのぎを削っています。
私は、過去に7年半ほど「電子線露光装置」の開発に携わっていました。
電子線露光装置を次世代の主力とするべく、事業部一丸となって技術開発をしていましたが、いわゆる従来の光の延長線上の技術(他社)も微細化を精力的に進めており、なかなか思うように主力の座をとりに行けるような状況ではありませんでした。
その仕事を退いて10年ほど経ちます。
そのような経緯もあり、私はこの「IBMが7nmの製造に成功」というニュースを見て、どんな技術を使ったのだろう?というところに興味を持ちました。
そこでちょこっとググったところ、次のようなニュースを見つけました。
EUV(極端紫外線)露光?
ムーアの法則をできる限り進める――TSMCが7nmプロセス向けにEUV装置を発注
欧州最大手の半導体製造装置メーカーであるASMLは、TSMCからEUV(極端紫外線)露光装置2台を受注し、2015年に納入予定であることを明らかにした。TSMCは、現在のプロセス技術開発の限界を超えて、7nmプロセスの実現を目指していくようだ。
ASMLというメーカーのEUV露光装置で7nmとのことです。
7nmの最有力技術はEUVなのか・・・?というところでしょうか。
ちなみにこの記事だけではIBMがどの技術を使ったかはわかりませんが、最新の実用化レベルの露光技術のトレンドはEUVなのかなあ?という雰囲気は感じられます。
ちなみにIBMはASMLの露光装置も使っているそうです。(当然といえば当然ですが・・・)
7nmプロセスは、微細加工の物理的限界という声も聞こえます。
これ以上の半導体回路の微細化が限界となったとしたら、その性能向上も頭打ちになるのでしょうか?
仮にそうなったら、コンピュータの処理能力も頭打ちになるのでしょうか?
興味は尽きません。
用語説明1
nm: ナノ・メートル。10のマイナス9乗メートル。
マイクロ・メートルの1000分の1。マイクロ・メートルは1000分の1ミリメートルなので、1nmは百万分の1ミリメートルです。
ちなみに、シリコン原子の直径は約0.2nmほど。
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